英語の会議の議事録をどう扱うか
英語で書くか日本語で書くか、両方作るかを読む人から逆算して決める考え方と、言語設定や訛りで精度が落ちる英語音声の注意点、Action Items中心の英語式テンプレートまで整理しました。
英語で行われた会議の議事録を任される。何語で書くべきか迷います。
読む人が誰かで決まります。 そこを先に整理すると、判断は難しくありません。
何語で書くか
出席者に共有するなら英語
会議の参加者に確認してもらう目的なら、会議で使われた言語で書くのが原則です。
日本語に訳したものを送っても、相手は内容を確認できません。認識合わせという目的が果たせなくなります。
社内共有なら日本語
日本語話者の社内メンバーに共有する目的なら、日本語で構いません。
ただし固有名詞と数値は原文のまま残してください。製品名、契約条件、金額の単位を訳すと、後から照合できなくなります。
両方が必要な場合
社外の相手と社内の両方に共有するなら、2つ作ることになります。
負担を減らす方法として、
- 英語版を正式な議事録とし、日本語版は要約に留める
- 決定事項とタスクだけ日本語にし、議論の経緯は英語のまま
全文を両言語で維持しようとすると、更新のたびに二重の作業が発生します。どちらが正本かを決めておくと管理が楽になります。
英語音声の文字起こし
言語設定を間違えない
もっとも多い失敗です。 文字起こしツールの言語設定が日本語のままだと、英語の音声はまともに変換されません。
日本語話者が英語を話す会議では、日本語と英語が混ざることがあります。この場合、多くのツールは片方の言語しか正しく処理できません。
訛りの影響
英語の会議では、話者の母語によって発音が大きく異なります。
- ネイティブ話者:概ね高精度
- 日本語話者の英語:訛りの程度による
- その他の非ネイティブ:同上
非ネイティブ同士の会議は精度が落ちやすいと考えておいてください。重要な数値や条件は、必ず耳で確認する前提で使います。
固有名詞の扱い
日本の会社名、製品名、人名は、英語の文字起こしでほぼ確実に誤変換されます。
事前にリストを用意しておき、一括置換で直すのが現実的です。
議事録の書き方の違い
英語圏の議事録には、日本と異なる慣行があります。
Action Items が中心
英語圏の議事録は、誰が何をいつまでにを明示することが強く意識されます。
Action Items:
- John to send the revised quote by Nov 25
- Yuki to confirm the delivery schedule with the factory
担当者が主語になる書き方が一般的です。日本語の「〜することとなった」という受動的な表現とは対照的です。
決定と議論を分ける
Decisions と Discussion を明確に分ける形式がよく使われます。
Decisions:
- Unit price set at $30
- Launch postponed to Q1
Discussion:
- Concerns raised about the supply chain...
簡潔さが求められる
長文の議事録は読まれません。箇条書きで短くが基本です。
日本語の議事録で見られる「〜という意見が出され、これに対して〜との指摘があり」といった記述は、英語では通常もっと短くまとめます。
そのまま使えるテンプレート
Meeting:
Date:
Attendees:
Decisions:
-
-
Action Items:
| Owner | Task | Due |
|-------|------|-----|
| | | |
Discussion:
-
Next Meeting:
日本語版と同じ構造にしておくと、両方作る場合に対応しやすくなります。
翻訳するときの注意
曖昧さを持ち込まない
日本語の「検討します」は、英語では文脈によって意味が変わります。
We will consider it.(検討する)We'll look into it.(調べてみる)- 実質的な断り
日本語のまま曖昧にしておくと、英語話者には前向きな返答と受け取られることがあります。議事録では、可能な限り具体的に書いてください。
訳さないほうがよいもの
- 契約条件の文言
- 金額と通貨単位
- 製品の型番
- 法的な用語
これらは原文を併記するのが安全です。
AIの翻訳を使う場合
文字起こしから翻訳まで自動化できますが、そのまま配布しないでください。
- 固有名詞の誤変換が残っている
- 曖昧な表現が一方の解釈で確定される
- 敬語やニュアンスが失われる
社外に出る議事録は、必ず人が目を通してください。 誤訳が原因の認識違いは、後から修正するコストが大きくなります。
まとめ
- 読む人で言語を決める(出席者なら会議の言語、社内なら日本語)
- 両方必要なら、どちらが正本かを決める
- 文字起こしの言語設定を必ず確認する
- 固有名詞は誤変換される前提で、置換リストを用意
- 英語圏の議事録は Action Items 中心・簡潔に
- 「検討します」のような曖昧な表現を訳で確定させない
- AIの翻訳はそのまま出さない
言語が増えると手間も増えますが、目的(誰が読むか)から逆算すれば、作るべきものは1つに絞れることが多いはずです。