議事録作成にかかっている本当のコスト
1時間の会議の議事録には80〜200分かかり、時給換算では年間20万円前後になります。工程ごとに削れる部分と人が残る部分を分け、導入が向かない3つのケースまで整理しました。
議事録作成にツールを導入するとき、「月1,300円は高い」と感じることがあります。
しかし比較すべきは、いま議事録にかかっている時間の価値です。多くの場合、この計算をすると結論が変わります。
実際にかかっている時間
1時間の会議で、議事録が完成するまでの内訳です。
| 工程 | 目安 |
|---|---|
| 会議中のメモ | (会議時間に含まれる) |
| 音声の聞き直し | 30〜60分 |
| 文字起こし・整形 | 30〜90分 |
| 見直し・修正 | 10〜20分 |
| 承認待ち・修正対応 | 10〜30分 |
| 合計 | 80〜200分 |
1時間の会議に対して1.5〜3時間というのが実感に近いはずです。慣れた人でも1時間は下回りません。
全文の書き起こしを求められる会議では、さらに長くなります。1時間の音声を正確に文字にすると、3〜4時間かかります。
金額に換算する
時給換算で見ます。
| 想定時給 | 1回の議事録(2時間として) | 月4回 | 年間 |
|---|---|---|---|
| 2,000円 | 4,000円 | 16,000円 | 192,000円 |
| 3,000円 | 6,000円 | 24,000円 | 288,000円 |
| 4,000円 | 8,000円 | 32,000円 | 384,000円 |
年間で20万円前後。これが議事録作成にかかっているコストです。
月額1,300円のツールなら年間15,600円。議事録1回分の人件費で1年使えます。
「自分でやれば無料」という誤解
社内の作業は費用として計上されないので、無料に見えます。しかし、
- その時間で他の仕事ができた
- 残業になれば実際に費用が出る
- 新人が担当すれば、その分の育成時間が消える
時間は有限なので、必ずどこかで代償が発生しています。
とくに見落とされがちなのが、議事録が遅れることによる損失です。3日後に届く議事録は、その3日間タスクを止めています。金額に換算しにくいだけで、実害はあります。
どこを削れるか
工程ごとに、削減できる余地が違います。
削れる:聞き直しと文字起こし
自動化の効果が最も大きい工程です。 合計で60〜150分かかっていたものが、数分になります。
ここだけ自動化すれば、残るのは「確認して直す」作業だけです。1時間の会議に対して10〜15分程度まで縮みます。
削れる:整形
テンプレートを固定すれば、毎回の判断がなくなります。何を書くか迷う時間は、意外に大きな割合を占めています。
削りにくい:確認と修正
固有名詞の誤変換、社内用語、「検討します」の解釈。ここは人がやるしかありません。
ただし、ゼロから書くのと、下書きを直すのとでは負担がまったく違います。
削れる:承認待ち
会議の最後3分で決定事項を読み上げ、その場で合意すれば、事後の承認が不要になります。制度を変えずに今日から試せます。
導入判断の考え方
月額制と都度払いで分岐点が違います。
月の会議回数 × 議事録1回あたりの削減時間 × 時給
vs
ツールの費用
具体例です。月4回、1回あたり90分削減、時給2,000円とすると、
削減効果:4回 × 1.5時間 × 2,000円 = 12,000円/月
これに対して月額1,300円なら、9倍以上の効果です。都度払いで1回330円なら1,320円なので、9倍前後になります。
会議が月1回でも、3,000円の削減に対して330円です。どちらの方式でも回収できます。
まとめ買いの回数券があるサービスなら、1回あたりはさらに下がります。議事メモレックの場合、20回分で1時間の会議が265円です。もっとも、この差は削減できる人件費に比べれば小さいので、回収できるかどうかの判断は変わりません。判断を分けるのは料金ではなく、削減できる時間のほうです。
導入しないほうがよい場合
正直に書くと、次の場合は効果が薄くなります。
- 議事録がそもそも短い(15分の打ち合わせを3行でまとめている)
- 録音できない会議が中心(機密性が極めて高い)
- すでにWeb会議ツールの文字起こしを使っている
3つ目は特に確認してください。ZoomやTeamsの上位プランには文字起こし機能が含まれています。すでに払っているものが使えるなら、追加のツールは不要です。
まとめ
- 1時間の会議の議事録には、1.5〜3時間かかっている
- 年間では20万円前後の人件費に相当する
- 削減効果が最も大きいのは聞き直しと文字起こし
- 確認と修正は人が行う(それでも大幅に短縮される)
- すでに使えるツールがないか、先に確認する
「無料でやっている」と思われている作業に、実際は最も費用がかかっている。議事録は、その典型かもしれません。
一度、自分が議事録に使っている時間を測ってみてください。判断の材料は、それだけで揃います。