📝 議事メモレック無料で試す
業種・場面別

士業の面談記録と守秘義務 — 記録の利便性と、守るべき一線

· 株式会社リキッドブロック · 読了 4分

𝕏 ポスト Facebook LINEで送る B! はてブ
この記事で分かること

弁護士や税理士が面談記録を外部の文字起こしサービスに預ける前に確かめる5点と、相談者への説明の仕方、案件の性質による使い分け、外部に出さない選択肢と音声の削除までを整理しました。

弁護士、税理士、社会保険労務士、司法書士。相談を受ける職種では、面談の記録が業務の中核にあります。

同時に、守秘義務という強い制約があります。記録を効率化したいが、相談内容を外部に出すわけにはいかない。この緊張関係をどう扱うかを整理します。

以下は一般的な整理であり、法的助言ではありません。各士業の職務規程や所属会の指針を優先し、判断に迷う場合は所属会等にご確認ください。

前提:守秘義務の重さ

多くの士業には、法令や職務規程で守秘義務が課されています。違反は懲戒の対象となりうるほか、刑事罰が定められている場合もあります。

一般企業の情報管理とは、求められる水準が異なります。「便利だから」で判断できる領域ではありません。

外部サービスを使う前の確認

文字起こしサービスに面談の音声を渡すということは、相談内容を第三者に預けるということです。

確認すべき点を挙げます。

1. 音声とテキストが保存されるか

処理後に削除されるのか、一定期間保存されるのか。保存されるなら、その事実自体を検討の対象にすべきです。

2. AIの学習に使われるか

利用規約に「サービス改善のためにデータを使用する」といった記載がある場合、相談内容が学習に使われる可能性があります。

明確に否定していないサービスは、この用途に適しません。

3. 提供者側の従業員が閲覧できるか

品質改善のために人が確認する運用のサービスもあります。これは一般的な用途では問題になりませんが、守秘義務の観点では意味が変わります。

4. 保存先の国と適用される法制度

海外のサーバーに保存される場合、その国の法制度が適用されます。開示請求の枠組みも異なります。

5. 契約上の位置づけ

外部委託にあたるかどうか、委託先の監督義務をどう果たすか。所属会の指針に定めがある場合はそれに従ってください。

相談者への説明

外部サービスを使う場合、相談者に説明して同意を得ることを検討すべきです。

「面談内容を正確に記録するため、録音のうえ文字起こしサービスを利用しております。データは処理後に削除され、〇〇の目的以外には使用しません」

説明が難しいと感じる場合、それはそのサービスを使うべきでないという判断材料かもしれません。

相談者に説明できない処理を行うことは、信頼関係の前提を崩します。

使い分けという考え方

すべての面談に同じ基準を適用する必要はありません。

内容 考え方
一般的な手続きの説明 通常の運用で足りる場合が多い
係争中の案件 外部に出さない判断も
相手方の情報を含む より慎重に
相談者が特定されうる内容 匿名化も検討

すべてを最高水準で扱うと業務が回らず、すべてを同じ緩さで扱うと事故が起きます。 内容による切り分けが現実的です。

外部に出さない方法

守秘性が高い案件では、外部サービスを使わない選択が適切な場合があります。

手間はかかりますが、外に出ていないものは漏れません。効率をすべての案件に適用する必要はありません。

記録そのものの扱い

外部サービスの問題とは別に、記録自体の管理も重要です。

保管

音声データ

記録が完成したら音声は削除するのが基本です。

面談の音声には、記録に残さなかった発言も含まれています。相談者の感情的な発言、周辺事情、第三者への言及。書面に残さなかったものが音声には残っているという点は、特に意識が必要です。

保存期間

案件終了後どれくらい保管するかは、所属会の指針や事務所の規程に従ってください。

記録の書き方

守秘性とは別に、記録として機能させるための観点です。

相談者の言葉をそのまま残す

法的な評価と、相談者が述べた事実は分けて記録します。

確認できていないことを明示する

相談段階では未確認の事項が多く残ります。何が裏付けられていて、何が相談者の申告のみかを区別してください。

次にやることを明確にする

【当方】〇日までに〇〇を調査
【相談者】〇〇の書類を〇日までに持参

相談者側の宿題も記録しておくと、進捗の確認がしやすくなります。

まとめ

効率化そのものは否定されるものではありません。ただ、この職種では「便利かどうか」の前に「預けてよいか」があるという順序を外さないことが重要だと考えます。

なお、具体的な判断は所属会の指針や職務規程に従い、必要に応じて所属会等にご確認ください。

この記事をシェアする

𝕏 ポスト Facebook LINEで送る B! はてブ

議事メモレックは、登録もサブスクも不要のAI議事録サービスです。録音するだけで文字起こし・要約・やることリストを自動作成します。5分までは無料でお試しいただけます。

無料で議事録を作る

使い方を図で見る →

あわせて読みたい

業種・場面別

英語の会議の議事録をどう扱うか

英語で書くか日本語で書くか、両方作るかを読む人から逆算して決める考え方と、言語設定や訛りで精度が落ちる英語音声の注意点、Action Items中心の英語式テンプレートまで整理しました。

· 読了 4分
業種・場面別

初対面の打ち合わせで押さえること — 録音の頼み方を含めて

初回の録音は事前メールで頼むほうが通ります。依頼文の例と断られたときの対応、名刺や席順などメモでしか残らない情報、相手の言葉をそのまま残すなど初回に記録すべき4項目を整理しました。

· 読了 5分
業種・場面別

採用面接の記録の残し方 — 評価の根拠を後から説明できるように

面接記録は評価の根拠を後から説明するための資料です。評価と根拠をセットで残す書き方、質問も記録もしてはならない7項目、外見や話し方への主観を避ける理由、録音の同意と保存期間の決め方を整理しました。

· 読了 4分
業種・場面別

ライブ配信やウェビナーを文字起こしする方法と、その線引き

ウェビナーや決算説明会はタブ音声を録れば後からテキストにできます。私的利用と社内共有・公開の線引き、タブの音声も共有にチェックする4手順、本番前の10秒テストまで整理しました。

· 読了 4分

← 記事一覧へ