1on1を続ける仕組み — 前回の記録から、次に聞くことを決める
1on1は始めるより続けるほうが難しい場です。止まる3つのパターンと、30分の流れの型、記録を「次に聞くこと」で閉じる書き方、録音に頼らず直後の2分で残す方法、次回の準備を5分にする手順をまとめました。
1on1は、始めるより続けるほうが難しい場です。
最初の数回は話すことがあります。ところが2か月もすると、「最近どう?」「特にないです」で15分が過ぎ、そのうち予定が流れはじめます。
何を記録に残すかは、1on1の記録は、どこまで残すべきかにまとめました。この記事では、その記録を使って1on1を止めない仕組みを考えます。
1on1が止まる3つのパターン
続かない1on1には、だいたい同じ理由があります。
| パターン | 起きていること | 仕組みでの対策 |
|---|---|---|
| 話すことがない | 毎回、その場で話題を探している | 前回の記録から、次に聞くことを決めておく |
| 約束が流れる | 前回決めたことを、誰も確かめない | 冒頭の5分で、前回の約束を確かめる |
| 準備が重い | 前日に30分かけて考えている | 準備を5分で終わる形にする |
3つとも、本人のやる気の問題ではありません。 前回と今回がつながっていないことが原因です。
続く1on1の「1回の流れ」
30分の1on1なら、次の形にしておくと迷いません。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 最初の5分 | 前回の約束を確かめる(できた/できなかった/やめた) |
| 次の20分 | 本人が話したいこと。なければ、上司が用意した問い |
| 最後の5分 | 次回までの約束と、次に聞くことを決める |
大事なのは最後の5分です。ここで「次に何を聞くか」まで決めておけば、次回の準備はほとんど終わっています。
「できなかった」約束は、責めずに理由を聞きます。やめた約束は、やめたと記録します。 残しておくと、毎回「あれはどうなった?」が続いて、話す時間を減らします。
記録は「次に聞くこと」で閉じる
記録の型の最後に、1行だけ足します。
■ 日付/相手
【前回の約束の結果】
・〇〇の研修申込み → 済み
・△△の資料づくり → 来週に延期(理由:急ぎの案件)
【今回わかったこと】
・
【次回までの約束】
| 誰が | 何を | いつまでに |
【次回聞くこと】
・研修を受けてみて、仕事で使えそうなところ
・△△の資料、手伝えることがあるか
【次回聞くこと】があるかないかで、次の1on1の始まり方が変わります。 「最近どう?」の代わりに、具体的な問いから入れます。
記録の残し方:録音より「直後の2分」
1on1は、録音しないのが基本です。録音されていると思うと、話す内容が変わるからです。
その代わりにおすすめなのが、終わった直後に、自分の声で2分だけ振り返りを話して録る方法です。
「今日の1on1。研修は申込み済み。資料は来週に延期、急ぎの案件のため。次回は研修の感想と、資料で手伝えることを聞く」
話すのは、自分の言葉で要点だけです。これを議事メモレックで録ると、文字起こしと要約、やることリストがメールで届きます。録音は5分まで無料なので、2分の振り返りならお金はかかりません。
注意することが2つあります。
- 「ここだけの話」は、振り返りでも口にしない。 記録に残さないと決めたことは、声にも出しません
- 議事メモレックは、音声を文字起こしが終わった時点で、文字起こしと議事録をメールを送った時点で削除します。届いたメールの内容は、自分の決めた場所に保管してください
なお、キャリア面談や目標設定など、本人が録音を希望する回は、合意のうえで録る意味があります。伝え方は会議の録音に相手の同意は必要かにまとめています。
次回の準備を5分にする
前回の記録があれば、準備は「並べ直す」だけです。
- 前回の記録を開く
- 【次回聞くこと】と【次回までの約束】を確かめる
- ここ2週間で、本人の仕事に起きたことを1〜2行足す
- 今回の目的(近況の確認か、キャリアの話か)を決める
ここでAIに手伝ってもらう方法もあります。
LB AI Prompt side bar は、ChatGPT・Claude・Gemini などに入れる指示のひな型を選べる Chrome 拡張機能です。ビジネス業務のタブにある「【マネージャー】1on1の準備(話すテーマと質問)」は、無料版でも使えるコマンドです。部下の状況と前回の約束を空欄に書き、今回の目的を選んで ⚡ を押すと、開いているAIの入力欄に指示が入ります。話すテーマと、話しやすくなる質問の案が返ってきます。
使うときの注意です。
- 名前は伏せる。「Aさん」で十分です
- 評価につながる主観は入れない
- 会社に生成AIの利用ルールがあるなら、それに沿う
書いた内容は弊社のサーバーには送られませんが、⚡で入れた内容は、送り先のAIのサービスに渡ります。AIが出した質問はそのまま読まず、自分の言葉に直して使ってください。
詳しくはLB AI Prompt side bar の公式サイトをご覧ください。
部下ごとの「置き場所」をつくる
部下が3人を超えると、誰の目標シートがどこにあったか、探す時間が増えます。
LB TAB Layers は、タブを「グループ」に分けて保存し、▶ でまとめて開ける Chrome 拡張機能です。「1on1」のグループの下に、部下ごとのサブグループを作っておくと、準備のときに必要な画面が一度にそろいます。
| 入れておくタブ | 例 |
|---|---|
| 目標シート | 期初に立てた目標のドキュメント |
| 1on1の記録 | 自分用の記録のファイル |
| 関係する資料 | 担当案件の進み具合が分かるページ |
保存したタブにはメモも付けられます。「次回:研修の感想を聞く」のように短く書いておくと、開いた瞬間に思い出せます。ただし、メモに評価や本音の話は書かないでください。保存したタブは Chrome のブックマークに残る作りです。無料版はグループ5つまで(サブグループも数えます)、インストールから3か月はすべての機能を使えます。
Chrome のサイドパネルは、1つのウィンドウで一度に1つの拡張機能しか表示できません。両方を並べたいときは、LB AI Prompt side bar の ⧉(別のウィンドウで開く)を使います。くわしくはLB TAB Layers の公式サイトへ。
3か月たったら、見直すこと
仕組みが回っているかは、次の3つで分かります。
- 約束の実行率:前回の約束のうち、できたものは半分を超えているか
- 話している時間:本人が話している時間は、半分を超えているか
- くり返す話題:同じ困りごとが3回続いていないか
3つ目が出ていたら、1on1の中では解決しない問題です。仕事の割り振りや体制の話として、別の場で扱います。
まとめ
- 1on1が止まるのは、前回と今回がつながっていないから
- 30分の流れは「前回の約束 → 本題 → 次の約束と、次に聞くこと」
- 記録は、【次回聞くこと】で閉じる。次の始まり方が決まる
- 録音は基本しない。直後の2分の振り返りを自分の声で残す
- 準備は「並べ直す」だけにして、5分で終える
1on1を続けるのに必要なのは、話す力よりも次につなぐ仕組みです。今日の1on1の最後に、「次に聞くこと」を1行書くところから始めてみてください。