議事録係を任された新人が、最初に知っておくとよいこと
議論の内容が分からなくても、発言者・決定事項・担当と期限の3点は記録できます。決定が起きる合図になる言い回し、会議中に聞き返してよい場面と後で聞く場面、提出前の3分チェックを整理しました。
配属されて最初の仕事が議事録、というのはよくある話です。
そして多くの人が同じところでつまずきます。会議の内容が分からないので、何を書けばいいのか分からない。
これは能力の問題ではありません。前提知識がない状態で議論を聞けば、分からなくて当然です。この記事では、分からないなりに使える議事録を書く方法を説明します。
全部を理解しようとしない
まず前提を変えてください。議事録係の仕事は、議論を理解することではなく、記録することです。
理解できていなくても、次の3つは記録できます。
- 誰が発言したか
- 何が決まったか(「では〇〇で」「それでいきましょう」の直後)
- 誰が何をやることになったか
内容が専門的で理解できなくても、「田中さんが『では、A案でいきましょう』と言った」という事実は記録できます。
決定の合図を覚える
会議には、決定が起きる瞬間に出やすい言葉があります。
- 「では、〜ということで」
- 「それでいきましょう」
- 「〜でお願いします」
- 「じゃあ〜の方向で」
- 「一旦〜にしておきましょう」
これらが聞こえたら、直前に話されていた内容が決定事項です。意味が分からなくても、そのまま書き留めてください。
同じように、タスクが発生する合図もあります。
- 「〜しておきます」
- 「〜を確認します」
- 「〜までに出します」
- 「そちらお願いできますか」
こちらは誰が言ったか、または誰に向けて言われたかを必ずセットで記録します。
聞き返してよい場面
新人が最も遠慮するのがここですが、聞き返したほうがよい場面があります。
聞くべき場面
担当者が曖昧なとき
「すみません、これはどなたが担当されますか」
これは議事録に必要な情報であり、聞かないと書けません。誰も気にしていなかった、ということも珍しくありません。
期限が決まっていないとき
「期限はいつ頃までとしましょうか」
固有名詞のつづり
「先ほどの〇〇という会社名、漢字を教えていただけますか」
いずれも議事録を作るために必要な確認であり、理解不足を露呈するものではありません。むしろ、この確認ができる人は信頼されます。
会議中には聞かなくてよい場面
議論の背景や専門用語そのものは、会議中に聞くと流れを止めます。メモしておいて後で聞くか、自分で調べてください。
会議後に上司へこう聞けば十分です。
「先ほどの〇〇という話、背景を教えていただけますか。議事録に一行足したいので」
会議中に8割書き終える
終わってから清書しようとすると、記憶が薄れて時間が倍かかります。会議中にテンプレートを埋めていくのが最も速い方法です。
■ 会議名:
■ 日時:
■ 参加者:
【決定事項】
・
【やること】
| 誰が | 何を | いつまでに |
|------|------|-----------|
【保留・次回】
・
【メモ】(後で確認すること)
・
最後の「メモ」欄が新人にとって重要です。分からなかった語や、確認したいことを書き留めておく場所として使ってください。提出前に消せば済みます。
提出前の3分チェック
書き終えたら、次の3点だけ確認してください。
1. 担当者と期限が空欄になっていないか
決まらなかった項目は「未定」と書きます。空欄のままだと、見た人が見落とします。
2. 会社名・人名の漢字が正しいか
社外に出る議事録では特に重要です。相手の会社名を間違えるのは、内容の誤りより印象が悪くなります。
3. 自分の解釈が混ざっていないか
「〜という懸念が示された」は事実ですが、「〜には無理があると思われる」は自分の意見です。議事録に自分の評価を書かないでください。
分からないまま書いた議事録でも役に立つ
内容が理解できていなくても、発言者・決定事項・担当者・期限が正確に記録されていれば、議事録として十分に機能します。
そして数回続けるうちに、議論の構造が見えてきます。「この人はいつも懸念点を挙げる役割だ」「この話は前回の続きだ」といったことが分かるようになります。
議事録係は、その部署の仕事を最短で理解できる役割でもあります。全部の会議に出て、全部の決定を聞ける立場は、実はそう多くありません。
最初はつらいと思いますが、記録に徹していれば必ず追いつきます。理解してから書こうとせず、書きながら理解していってください。
まとめ
- 議事録係の仕事は、議論を理解することではなく記録すること
- 内容が分からなくても、発言者・決定事項・担当者の3つは記録できる
- 「では、〜ということで」などの合図の直前に話されていたことが決定事項
- 担当者・期限・固有名詞のつづりは、会議中に聞き返してよい
- 議論の背景や専門用語はメモしておいて会議後に聞く
- 会議中にテンプレートを埋めて8割終える。清書に回すと時間が倍かかる
- 提出前に、空欄・漢字・自分の解釈の混入の3点だけ確認する
数回続けるうちに、議論の構造のほうから見えてきます。