大学の講義を録音して文字起こしする方法
90分の講義を録音して文字にする手順を、録音の準備から文字起こし、ノートに落とすところまで整理しました。録音していい場合の確認、機材、精度を落とさない座席の選び方まで含めています。
講義を聞きながらノートを取ると、書くことに追われて理解が置き去りになります。話は次に進んでいるのに、手はまだ前のスライドを写している。この状態が90分続きます。
録音しておけば、講義中は聞くことに集中できます。手順を順に説明します。
その前に:録音していいかを確認する
これが最初です。 技術的な話はその後で構いません。
大学によって扱いが異なります。多くの場合、次のいずれかです。
| 扱い | よくある条件 |
|---|---|
| 明示的に許可 | シラバスや初回講義で案内される |
| 教員の判断 | 事前に聞けば許可されることが多い |
| 原則禁止 | 著作物の読み上げや、外部講師の回など |
判断に迷ったら、教員に直接聞くのが最も早いです。「復習に使いたいので録音してよいですか」と聞けば、たいてい答えが返ってきます。断られたら録らなければよいだけです。
聞きにくいと感じるかもしれませんが、黙って録って後から問題になるほうが、はるかに面倒です。
特に確認すべき回
- 外部から講師を招いた回(その講師の許諾が別に必要)
- 未公表の研究内容を扱う回
- 他の学生の発言が多く入るゼミ形式の回
3つ目は見落とされがちです。教員が許可しても、他の受講生の声を録ることまで含むとは限りません。
録音の準備
座る場所
精度は録音の質でほぼ決まります。 AIの性能より、こちらの影響のほうが大きいのが実情です。
- 前から3列以内が理想です。教室の後方は、反響と周囲の物音を拾います
- 空調の吹き出し口の真下を避ける。連続音はノイズ除去が効きにくい
- スピーカーを使っている教室なら、スピーカーの正面寄り
大教室では、後ろの席と前の席で結果がはっきり変わります。
機材
スマホで十分です。専用の機材は要りません。
- 机の上に、画面を伏せずにマイク側を教壇に向けて置く
- ノートPCで録るなら、内蔵マイクはキーボードの打鍵音を拾うので、タイピングしながらの録音には向きません
- ケースが厚い場合、マイク穴を塞いでいないか確認する
録音前の10秒テスト
これを習慣にしてください。 録音を始めて10秒だけ録り、再生して音が入っているか確認します。
90分録り終えてから無音だったと気づくのが、最も痛い失敗です。取り返しがつきません。
文字起こしする
録音が終わったら、テキストにします。方法は3つです。
自分で聞いて書く
90分の講義で、4〜6時間かかります。再生と停止を繰り返すためです。速度を上げても、実時間の2倍は見ておく必要があります。
試験前にこの時間は取れないと思います。
大学が用意しているツールを使う
まずここを確認してください。 オンライン講義の録画に自動字幕が付いている場合があります。すでに契約しているものがあるなら、それで足りることが多いです。
Microsoft TeamsやZoomで配信されている講義なら、文字起こし機能が使えることがあります。
文字起こしサービスに渡す
音声ファイルをアップロードすると、テキストになります。要約まで作るものもあります。
選ぶときの確認点は3つです。
- 1回あたりの上限(90分に対応しているか。無料プランは短時間に制限されていることがあります)
- 料金体系(月に何回使うか。年に数回なら月額制は割高になります)
- 音声データの扱い(処理後に削除されるか)
1つ目を見落とすと、いざ試験前に使えないことになります。月の合計だけでなく、1回の上限を見てください。
テキストから、使えるノートにする
90分の講義を文字にすると、3万字前後になります。そのまま読み返すものではありません。
拾うもの
- 定義(「〜とは」「〜を〜という」の周辺)
- 試験に出ると言われた箇所(「ここは重要」「覚えておいてください」)
- 例(抽象的な概念を思い出す手がかりになります)
- 教員が繰り返した内容(2回言ったことは、たいてい大事です)
捨てるもの
- 雑談、連絡事項
- 言い直しや、言いよどみ
- スライドをそのまま読み上げている部分(スライドを見れば足ります)
固有名詞は自分で直す
専門用語や人名は、正しく変換されないことがあります。 特に分野特有の語は苦手です。
講義中にメモしておき、あとで置換すれば済みます。全文を読み直す必要はありません。
よくあるつまずき
録音が途中で止まっていた
スマホの容量不足か、他のアプリに切り替えたことが原因です。録音中は画面を切り替えない、容量を確認してから始めるの2点で防げます。
声が小さくて拾えていない
座席の位置か、マイクの向きです。次回から前寄りに座ってください。すでに録れてしまったものは、精度が落ちることを前提に扱うしかありません。
複数人が同時に話していて分からない
ゼミ形式では避けにくい問題です。どのサービスでも精度が落ちます。発言者が分かれるように、一呼吸おいて話す運用ができるなら、それが最も効きます。
まとめ
- 録音してよいかを先に確認する(教員に聞くのが早い)
- 前から3列以内に座る
- 10秒テストをしてから本番の録音を始める
- 文字起こしは、大学が用意しているものがあればまずそれを試す
- テキストから定義・重要と言われた箇所・例を拾う
- 固有名詞は自分で直す
技術的な手順よりも、1番と3番でつまずく方が多い印象です。特に3番は、90分が無駄になるかどうかの分かれ目なので、習慣にしてしまうことをおすすめします。